蓮ノ華


□『リナリー・リーの暴走』
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『リナリー・リーの暴走』




ここは黒の教団、地下室。

様々な薬品やら何やらが置かれているところを見ると、どうやら今は物置として使われているらしい。


そこここに蜘蛛の巣が張り巡らされ、薄暗いため、とても不気味に思える。



そんな場所に、何かがいた。

いや、"誰か"が。



黒くボブの髪。

女性らしいスタイルとミニスカートの、闇に紛れるほどに黒い団服から、女性エクソシストということが伺えた。


そう。

彼女は教団内のアイドル。


リナリー・リーだった。





そんなリナリーがなぜこんな場所にいるかというと――


カタカタッ・・・ピッ

彼女はなにか、大きな画面に繋がる装置を操作する。
それにより、今まで映っていた映像が止まり、画面も真っ暗になった。


リナリーはその操作からビデオテープらしき物を取り出すと、油性ペンでタイトルテープの所にこう書いた。



『ラビユウE』と。



そう。今まで画面に映っていた人物はラビと神田。


しかも二人は――

「やっぱりあの二人はデキてたのね♪大好きだ、なんてかわいいこと言っちゃって///」

リナリーの言った通り、ラビの自室でイチャイチャ中だった。
男同士にも関わらず。

彼らは「愛してる」などと甘い言葉を言いながら、抱き締め合い、キスを交わす。

普通の人が見れば「えぇ!?」とか「ギャァァァ」とか言って仰天するようなこの光景。

だが、リナリーには違う。

「キャー///これでまたBL記録が増えたわっ♪」

頬を高揚させながら、これからまとめないと、と独り言を呟き、スキップしそうな勢いで隣の部屋に消えた。





そう。彼女の正体、それは―――


    腐女子


簡単に言うと、男性同士の恋を好む女子。




リナリーは室長助手の地位を生かし、監視カメラなどで情報を集めてコレクションにしていく。

その姿―――別名『超々腐人<ちょうちょうふじん>』


教団の誰も知らない、リナリーの裏の姿だ―――



そんな彼女が今回のターゲットにしているカップル。

それは、先程画面にも映っていたラビと神田。

そして、神田を狙っているというアレンの三人だ。








これは
そんな腐った日常を綴った
リナリーの暴走日記(?)である。







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