絆の華

□変化
3ページ/7ページ



「・・・・・・内容と集合場所は?」



紗羅は平静を装って死覇装を整えると

一息ついてから白斗に聞いた。



「内容は分からないっスけど、

場所は一番隊の隊首室っス!!」



「・・・・・そうか。」



紗羅は一言だけそう答えると

隊員を居間の中心に集めてから

手を祈るように胸の前で合わせる。



「零唱の第一節『空渡離(ソラワタリ)』!!」



紗羅が短い詠唱を唱えてから特殊な術を発動させると

眩しい光が居間に広がり、隊員達ごと飲み込んだ。





しばらくは真っ白な風景が続いたが、少しすると光は消え失せて

すぐに見慣れた一番隊の隊首室へと変わる。



紗羅の数歩先には、大きな椅子に腰をかたまま

此方を見据える威厳のありそうな老人がいた。



ちなみに零唱とは零番隊だけが使える強力な術で

禁術に相当する術や複雑に鬼道を組み合わせた術を

紗羅達が改良・簡略化した術の総称である。



たとえば今の『空渡離』は『空間移動』を

簡単にした術といえば良いのだろう。



「・・・来たようじゃな。」



「用件は何だ?・・・山ジイ。」



少しだけ不機嫌そうな表情を浮かべた紗羅は

若干の焦りを見せながらも早々と本題を聞き出そうとする。



総隊長は少しだけ躊躇するように間を置くと、

重さのある静かな口調で告げた。



「零番隊を、護廷十三隊に公表しようと思っての。」



「「「「「「「・・・!!?」」」」」」」



静かな隊主室に響き渡ったその言葉に、

紗羅を含めた全員が驚愕の表情を浮かべる。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ