絆の華
□変化
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『変化』
居間には隊員達の明るい声が響き、その後すぐに
食器や箸がぶつかり合う音が聞こえ始めた。
「・・・その湯飲みを取ってもらえませんか?」
「嫌ですよー。どーして僕が、副隊長の
要求なんかを聞いて上げなきゃいけないんですかー?」
紗羅の隣である琉聖と、その斜め前の悠が
お決まりごとのように睨み合って再び火花を散らす。
「・・・そういえば最近、任務が少なくないか?」
紗羅は二人を不機嫌そうに睨んで威圧しながら
話を逸らすかのように全員に向かって聞いた。
皆は一瞬だけ呆けたような顔を浮かべたが、
すぐに小さな苦笑いの表情をを浮かべる。
「・・・そうですよね。でも油断は出来ませんよ。」
楓が空いた湯飲みに茶を注いで配りながら
軽く微笑みを浮かべて、優しく重みのある口調で言う。
「そうですよー。油断なんてしたら、
この前の任務の副隊長みたいに頭からぱっくりと・・・・・。」
「悠・・・作り話はやめて下さいね?
こんど簀巻きにして貌虚の前に放り出しますよ?」
鯵を間違った箸の使い方で食べながら
同意した悠に、琉聖が笑顔を向けながら言った。
ちなみに貌虚(ボウ・ホロウ)とは零番隊が
昇華を担当する虚である。
普段は獄堕街(ゴクダガイ)という、
尸魂界より地獄に近い場所に生息し、
実力は大虚の数十倍と言われている存在だ。
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