game book−オリジナル

□動物の恩返し

 出てきたのは招待状だった。日時、場所の他メッセージと式を挙げるチャペルの外観の透かしが入っている。
「…これじゃ無理だよね。抽象的すぎて」
 子どもの姿をした狐は招待状をのぞきこむ。
「この建物の前でいいの?」
「大丈夫なの?これだけの情報で」
 びっくりしながらそう聞くとにっこりと笑う。
「名前や見た目もそうだけど…この紙に宿ってる想いがわかるから。何よりもの目印なんだ」
「へえーそうなんだ」
 感心してしまいそうとしか言えない君。子どもの姿をした狐は照れくさそうな顔をしていたけどすぐに引き締める。
「じゃあ、ここに送るから…動かないでね」
「わかったよ」
 君が答えると子どもの姿をした狐は呪文を唱え始める。すると君の足下に魔方陣が展開した。魔方陣は光をたたえていたけど、一瞬にしてその光が爆発する。君はきつく目を閉じたけど気づいた時にはチャペルの前にいた。建物を見上げ、名前を確認する。確かに招待状に書かれていた場所だった。
「よかった」
 君は思わず安堵の声を上げていた。
 こうして君は目的地のチャペルにたどり着き、予定どおり結婚式に出席したのだった。





【グッドエンド】
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