game book−オリジナル

□動物の恩返し

 黄色い尖った耳をしていた。全体を見るとおしりの横の辺りにこれまた先の尖った太めの尻尾。どうやら狐のようだった。まさか助けた狐じゃないよな…と思っているとまた声をかけられる。
「どうしたの?そんなに慌てて」
 子どもの声だから高いとはいえ、男の子だろうなと感じる声が響く。狐に言っても意味がないと思いつつ、つぶらな瞳で見つめられ、仕方なく口を開いた。
「今から結婚式に出席するんだけど…名前が似てるから場所を間違えちゃったんだ」
「そうなんだ。結婚式の時間はもうすぐ?」
「うん。それにここからじゃ一時間くらいかかる」
 すると子どもの姿をした狐はちょっと考えた。
「だったら助けてもらった恩返しで送ってあげる。一瞬にして。人間の大人一人までならどうにかなるし」
 内容があまりに突拍子もないことだから唖然としてしまう君。ただ子どもの姿をした狐は少し顔をくもらせる。
「ただまだ未熟だからキチンとその場所を指定しないと変なところに出ちゃうんだ。式場の写真とかある?」
 君はまだ呆けていたけど、子どもの姿をした狐に近づかれ、顔を見上げられてハッとする。そしてかばんを探す。出てきたのは…
  1. 招待状
  2. 地図


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