game book−オリジナル
□動物の恩返し
茶色い丸い耳をしていた。全体を見るとおしりの横の辺りに特徴のある太い尻尾。どうやら狸のようだった。まさか助けた狸じゃないよな…と思っているとまた声をかけられる。
「どうしたん?そんなに慌てて」
関西弁のようなイントネーションで高めの声が響く。狸に言っても意味がないと思いつつ、つぶらな瞳で見つめられ、仕方なく口を開いた。
「今から友だちと会うんだけど忘れ物しちゃったんだ」
「取りに帰る時間はあらへんし、買ってどうにかなるものでもあらへん?」
「待ち合わせ場所はすぐそこだし、時間ももうすぐ。借りたものだから買うのは無理」
すると子どもの姿をした狸はちょっと考えた。
「なら、ちときばる。助けてもらった恩返しや。ほんの少しの間やけど空間つなげたる」
内容があまりに突拍子もないことだから唖然としてしまう君。ただ子どもの姿をした狸は少し顔をくもらせる。
「ただな。まだ未熟者やから五秒くらいしかもたへんのや。正確な場所を教えてな」
君はまだ呆けていたけど、子どもの姿をした狸に近づかれ、顔を見上げられてハッとする。そして忘れ物を置いていた場所思い出す。
「その場所は…」
- 机の上
- ベッドの上
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