game book−オリジナル

□動物の恩返し

「五分くらいお願いできるかな」
 その言葉を聞いて子どもの姿をした猫は目を見開き、意外そうな顔をする。
「それだけでいいのか?そんなに近いなら必要ないと思うけど」
「後ろにバス停あるでしょ?ちょうど目の前で行かれちゃったところで…次のバスまでは十五分くらいあるから…次のバス停に着くまで止めてほしくて」
「わかった。じゃあ、始める」
 短くそう言うと子どもの姿をした猫は呪文を唱え始める。すると周りの景色の輪郭が歪み、様々な色の風景が重なっていった。やがて周りの人や車等動くものの動きが止まる。
「完全に時が止まった。幸運を祈る」
「本当にありがとう。じゃあ行くね」
 君はそう言うと子どもの姿をした猫に軽く手を振り、次のバス停へと走る。どうにかたどり着いたところで時が動き出し、無事にバスに乗ることができた。全力疾走して少し疲れたがバスに乗っている間に回復し、試験会場にたどり着く頃には落ち着いていた。また集合時間には遅れたものの開始時間にはギリギリ間に合った。
 こうして遅刻の影響を最小限に押さえることができ、無事試験に合格することができたのだった。





【グッドエンド】
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