game book−オリジナル

□動物の恩返し

 白黒茶の三色の三角の耳をしていた。全体を見るとおしりの横の辺りに同じ色の細長い尻尾。どうやら猫のようだった。まさか助けた猫じゃないよな…と思っているとまた声をかけられる。
「そんなに慌ててどうした?」
 語気の強い生意気そうな声が響く。猫に言っても意味がないと思いつつ、鋭い眼差しでジッと見つめられ、仕方なく口を開いた。
「今から試験なんだけど時間が間に合いそうにないんだよね」
「そんな時に遅れるなんて抜けてるな」
「仕方ないだろう。電車が遅れたんだから。そして焦ってたら遅延証明書もらうの忘れちゃった」
 すると子どもの姿をした猫はちょっと考えた。
「ちょっとがんばれば…しばらく時間を止められる。助けてもらった恩返しだ」
 内容があまりに突拍子もないことだから唖然としてしまう君。ただ子どもの姿をした猫は少し顔をくもらせる。
「ただ悔しいけどまだ未熟だから…いつまで保てるかはわからない。どう使うかはあんた次第」
 君はまだ呆けていたけど、子どもの姿をした猫に近づかれ、顔を見上げられてハッとする。そして頭の中をフル回転させる。
「じゃあ…とりあえずお願いしようかな。止める時間は…」
  1. 止められるだけ
  2. 五分くらい


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