game book−オリジナル

□動物の恩返し

 夕暮れの住宅街。いつもと変わらぬ道を君は歩いていた。家に帰る為に。今日もまたいつもと変わらぬ一日だったな…と思いながら。しかし…

 …ーー!!
 ーー…!!

 何と言ってるかよくわからない、だけど切実な鳴き声が耳に入り、ふと足を止める。時々途切れるものの断続的に続く鳴き声に意識が向く。そして軽い気持ちでそちらに歩いていった。

 鳴き声が発されてる場所はよくわからず、あちこち歩いてみては行き止まりに辿り着く。いいかげんに疲れてきてもう探すのをやめようと思った時一際甲高い鳴き声が耳に届く。引き留めるように。一つため息をつきもう一度歩き出す。
 程なく鳴き声の主を見つけた。それはとある動物の子ども。近くにあったガラスの破片でケガをしているようだった。加えてほぼ目の前に野良犬の姿。反射的に君は野良犬を追っ払う。そして簡単に手当てをするとちょうど親がやって来て、一緒に去っていった。

 それから一週間が経とうかという頃。出かけた先で君はとにかく困っていた。パニックになり、右往左往していると幼い子どもが声をかけてくる。だが正確には人間ではなかった。その耳の形は…


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