あなたがいるから…
□20、練習試合
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「ー…っ」
ガタガタガタガタと、
財前はラケットを握った腕を、めっちゃ震わしている。
ちょ、大丈夫なんか?
「財前、大丈夫か?」
「…………、」
「おい!」
「……えっ、あ、すいません。」
財前は我に帰り、俺に謝ってきた。
「ちょ、めっちゃ顔色悪いで?大丈夫か?」
「はい、大丈夫です……、」
ほんまに大丈夫なんか?
なんか、今にも倒れそうな顔しとるけど、
てか、職員室で先生突き飛ばしたときと同じ顔しとるわ。
なんなんやろ、
こいつらとなんか関係あるんやろうか、
「あ、光?光やないか!」
「え、まじでか?」
男たちは、財前に近寄ってきた。
「え、先輩ら知っとるんですか?」
白石がこいつらに問いかけた。
「知っとるもなにも、俺らこいつとは、兄弟みたいな仲やったんやで!なっ光!」
「…………はい、」
「へえ、なら練習やりやすいわ!ほな、みんな準備しろやー!」
そう言う白石の指示に、部員たちは準備やらウォーミングアップを始めた。