★★★

□君の口癖
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風間とか言う鬼の屯所襲撃
なんとかして千鶴を守ることができたが…
俯きながら千鶴が呟く謝罪の言葉なんか呟くなよ












「ごめんなさい、原田さん」

いちいち謝らなくていいのによ
だって女を守るのは男の義務だろう

「なぁ、千鶴」

俺は千鶴の頬を撫でながら涙を拭う
怖ったのか涙が溢れていたから

「謝るなよ、女は男の背中に守られていればいいんだよ」
「だけど、原田さんに私のせいで傷ついて…」

たくっ、鈍いやつだな
惚れた女を守らなくてなにが新選組十番組組長なんだよ
そんなの局長の近藤さんに笑われるだろうが…

「あのな、好いた女を守るのは当たり前なんだ」

俺が照れずに言った言葉に千鶴は首を傾げる
もしかしておまえはそっちも鈍いのか?

「原田さんに守られる女の子は幸せですね」

やっぱり理解してなかったのかよ
俺は内心落ち込んでいたがふわっと嬉しそうに笑う千鶴を見て…

「気づいてねぇみたいだけどな」
「…………少しその子が羨ましいです」

千鶴はその子が自分だとは思わず残念そうに呟く
本当は伝えてやりたいがやっぱりそれは後だな
まだ暫くはこのままだが逃がす気は更々ねぇよ
他の奴らに盗られたまるかよ
俺は千鶴を見つめ納得するように…

「ごめんなさいって謝るんじゃなくてありがとうって笑ってくれねぇか」

そっちのほうが俺は嬉しいんだよ
千鶴の笑顔を見られるなら鬼の襲撃や薩長の奴らから必ず守ってやるからよ

「原田さん」
「分かったか、千鶴」

俺はごしごしと千鶴の髪をかき乱す
なんだか触り心地はしっくりするんだよなぁ…
小さくやめて下さいと言う千鶴の声は無視しながら…

「あはは、元気になったみてぇだな」
「原田さん、どうもありがとうございました」

俺が見惚れるような太陽みたいな笑顔で告げられた言葉
こんなに嬉しいもんだとは思っても見なかったが…
そんな笑顔を見ながらいつか千鶴に思いを告げるんだと心に決めた




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