複数

□いっそ破り捨てたい
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勝手に応援シリーズ?




「あああああまたやっちまったああああああ!!!」

「ハァ。これで何枚目?」

「うっせ!」


発狂しながら紙を引き裂いてやった。あームカつく!ボールペンで書かなねえといけねえくせになんで間違えても修正液使ったらダメなんだやり直しなんだ!?


「それは願書だからだよ」

「訳がわかんねえ!」

「皆それを乗り越えていくんだよ」

「総司も失敗したのか?」

「僕は一枚で済んだよ」

「聞くんじゃなかった!」


そうだよこいつは悪運強かったなちくしょう。なんかボールペンできちんとした文章とか紙に書くのって苦手なんだよなぁ。ですますの文末とか自分で書いてて背中がムズムズしてくる。向いてねえんだよこういうのって。


「はい、さっさと書く」

「くっそぅーなんで練習用紙でこんなに失敗してんだよ俺」

「千鶴ちゃんも志望校同じだったよね」

「おー」


そうだよ同じなんだよ。
だからこうして願書の練習してんだよ。あ、またミスっちまったじゃねえか!


「で、模試はどうだったの?」

「それ聞く?」

「当然。今日僕がわざわざ平助くんの家に来た理由を考えてみなよ」

「茶化しに来ただけだろ」

「うーん、惜しい」

「惜しいのかよ!」


もうヤダ。昨日は新八っつぁんが差し入れとか言ってプロテイン持って来たばっかなんだけど。マッチョになってどうすんだよ。


「正解は暇つぶし」

「最悪じゃねえか!」

「僕のお陰で捗ってるでしょ?」

「どこをどう見たらそう思えるんだよ」

「やだなぁ、顔に書いてあるよ」

「マジで眼科行ってこい」


こういう時に要領良い奴が周りに居ると自分が惨めに思えて仕方ない。やっぱり志望校変えた方が良いかもしれない。いやいや、この前千鶴と頑張るって約束したから変えねえけどさ。


「よっしゃもう一枚!」

「なんだ元気になっちゃった。つまらないなぁ」

「絶対受かってやるからな!」

「はいはい」










いっそ破り捨てたいっそ破り捨て
(って思うけど俺は受験に勝ってぜってぇ千鶴と一緒に春を向かえてやるぜ!)







「ああああああーっ!」


ビリビリビリィッ


「結局破ってるけど?」









091209

高校受験生な平助くん。
自分も平助くん状態でしたから願書の恐ろしさはいやって位覚えています。
受験生の皆さま体調に気をつけて頑張ってください。


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