原田
□赤と黒の境界線
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これが男の性だと何度言い聞かせたことか本当に愛したい奴は抱くこともできず毎回芸者に重ねて抱く
めちゃくちゃにしたい
俺しか見れないようにしてやりたい
「さ…のすけさ…」
黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れもっと呼べよ狂えよでもその声で身体で俺を受け入れるな見るな見たくない知りたい見たくない黙れ黙れ黙れ黙れよ
耳障りが心地好い
目を閉じ決して手に入らないアイツを重ねる
もしこれが千鶴とならどれだけ幸せなんだろうかと憐れに乱れる女を見下すと手を伸ばし俺を求める
俺が欲しいのはお前じゃないんだよ…
舌打ちをして女に噛み付いたら赤い印がついた
小さな星みたいだとそれに触れると女は一層甲高い鼻につくような声を上げる
こんな気持ちになる位ならいっそ殺して欲しい
それでアイツの中に永遠に残れるなら本望だろう
愛したいんだよ、お前を
赤と黒の境界線
(目を開けるとそこには色がなかった)
090928