□はないちもんめ
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入り組んだ町の小さな空き地に、子供達の声が響く


「あの子がほしい」

「あの子じゃわからん」

“相談しましょう”

“そうしましょう”


手を繋いでいるのにそれはたやすく切り離される
それ遊びは残酷な遊び
俺は好きだよ?そのアソビ

同じ母から生まれた兄妹なのに、一緒に居られなかった
あっちは「欲しい」と願われた子
こっちはその真逆
言うならばハズレ

この手は血で染まり、
心には憎しみが染み付いた
あぁ、愉快だよね?
こんなに楽しいアソビ他にないよ




「お姉ちゃんもやろう!」


ひとりの少年が俺の手を取り立つように促す


「私は見ているだけで楽しいから気にしないで」

「みんなで遊んだほうが楽しいに決まってんじゃん!」


だから、と強引に子供達の輪の中に連れられた
わらわらと周りに群がってきた
どうやら今は誰が俺の両側にいくのかを取り合っているらしい


「いいもん!お姉ちゃんが欲しいっていっぱい言うから!」

「あら、嬉しいわ」


反対側にいったらしい少年がそう強く言った


いつまでも欲されるだけじゃつまらないだろう?
俺はその気持ちを知ることはないから推測だけどね

でも、俺は求め続けてあげるよ

本望だろう?喜んでくれよ?
すべては俺の為なのだから



「勝って嬉しいはないちもんめ」


そう、勝たなくちゃ面白くない
勝てることしか、しないけどね


「負けて悔しいはないちもんめ」





090923


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