Main-T【短編小説】
□兎は月へ帰る
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―僕は、兎になる…―
十五夜の満月が
雲に隠れている日。
僕は義姉を殺した。
別に、憎い訳ではなく
特に、愛しい訳でも無かった。
ただ…此の十五夜と
云う素晴らしい日に
人を殺めると
どうなるのだろうと
思っただけ。
そう、云うならば
『好奇心』だね。
僕は切り落とした
義姉の頭を
月見だんごの
隣に供えた。
然して、呼吸をしない
義姉と月を見た。
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