Main-T【短編小説】

□兎は月へ帰る
1ページ/3ページ


―僕は、兎になる…―


十五夜の満月が
雲に隠れている日。



僕は義姉を殺した。




別に、憎い訳ではなく
特に、愛しい訳でも無かった。


ただ…此の十五夜と
云う素晴らしい日に
人を殺めると
どうなるのだろうと
思っただけ。



そう、云うならば
『好奇心』だね。




僕は切り落とした
義姉の頭を
月見だんごの
隣に供えた。




然して、呼吸をしない
義姉と月を見た。




.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ