Main-T【短編小説】

□夏空とビー玉と青い猫
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「ミィ」が消えて
今日で3日が経つ。


突然消えてしまった
私の可愛い猫。

愛らしくてたまらなかった…。


毎日可愛がって、
毎日嫌がられていたな。


夏が嫌いで何時も
エアコンが効いている
私の部屋に居た。


私のベッドなのに
いつも占領しているのよ。


エアコンの電源を止めると、
私の方を黙って
睨んでくるあの眼。



その姿が可愛くて
仕方なかった。


夜になると涼しくなり、
ベランダによく出ていた。

真っ暗な夜空を
眺めて瞳の奥を光らせる。


缶ビールを片手に、
私も一緒になって
夏の夜の星空を眺めていた。


ビールを口に含むと、
「にゃぁ」と小さく鳴き、

まるで自分にも
何か飲ませろと
言っているかのような
眼で私を見ていた。


仕方なく、
水の入った皿を差し出すと
ミィは水をゆっくりと
飲んでいたわ。




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