Main-T【短編小説】

□兎は月へ帰る
3ページ/3ページ


僕は…兎になる。


兎の眼は赤いだろう。


あれは世界が紅く
見えるからだよ。




頭が無い義姉の躯を
僕は強く抱きしめた。



遠くからパトカーの
音が聴こえてくる。



僕は…兎だ。



兎は月へ帰る…。



僕も帰ろう…。



義姉の躯と月見だんごを
数量持って
月へ帰ろう…───。




僕は、兎だ…。







前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ