銀魂

□第7訓
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桂が起こしたテロ事件に銀時達が巻き込まれてから、3日が経った。
桂が逃亡し、銀時、新八、神楽の3人は桂の仲間だと疑われた為、警察署に3日も拘留されたが、蘇芳は賞金稼ぎと言う職業柄、潜入捜査をしていたと言う言い訳をして、比較的早く釈放された。
「…帰って来い、ね…」
警察署に銀時達を迎えに行く為に、近道の裏路地を歩きながら、取調室で廉に言われた事をポツリと呟き、深く溜め息を吐き、苛々した様に舌打ちをする。
その蘇芳の雰囲気に、裏路地の薄暗い影を住処にする者は誰も近付こうとしない。
それが更に蘇芳の苛々を煽る。
そもそも、何故蘇芳がわざわざこんな裏路地を歩いているかと言うと、賞金首は大抵こう言う薄暗い場所を好んで縄張りにしている者が多く、これから警察署行くし、丁度いいから憂さ晴らししつつ、稼ごうと思ってこの道を歩いていたのだ。
「…仕方あるまい。向こうから来ぬなら、此方から無差別に…!」
自分が口走りそうになった言葉に、蘇芳は口元を押さえ、戦慄した。
自分は今、何を言おうとした?
いや、今のは自分の意志じゃない。
こないだ、チラリとアレを出してしまってから、表に出てこようとする。
…全く、疎ましい。
苛々する。
…こんなモノ、誰にも見せる訳にはいかない。

特に、銀には。

蘇芳は頭を振って、歩き出した。
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