銀魂

□第6訓
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蘇芳がゆらり、とよろけたのを見て、銀時は咄嗟に支える。
桂は、まだ話し続けていた。
「天人を掃討し、この腐った国を立て直す。我等生き残った者が死んでいった奴等にしてやれるのはそれぐらいだろう。…我等の次なる攘夷の標的は、ターミナル。天人を召喚するあの忌まわしき塔を破壊し、奴等を江戸から殲滅する。だがアレは世界の要…。容易にはおちまい。お前達の力がいる、銀時、蘇芳」
蘇芳はふらつく頭で桂を見る。
「既に我等に加担したお前達に断る道はないぞ。テロリストとして処断されたくなくば、俺と来い。…迷う事は無かろう。元々お前達の居場所は此処だったはずだ」
「銀さん…蘇芳さん…」
「…馬鹿か、小太郎」
蘇芳が唐突に口を開いた。
「蘇芳?」
「銀も言っただろ、戦争は終わった、って。…死んでいった奴等を言い訳に使うな
蘇芳の瞳が真っ直ぐ桂を居抜き、桂は一瞬立ち竦んだ。
蘇芳のその瞳が、暗い光しか宿していなかったからである。
「…あぁ、駄目だ。…悪いのが出ちゃったなァ…」
目を閉じ、目蓋を押さえ、緩く頭を振りながら蘇芳は呟く。
その姿は、新八や神楽は勿論、昔から付き合いのある銀時や桂ですら知らない物だった。
悪いのが、出た?
一体何の事だ、と銀時が問い掛けようとしたその時。
勢いよく部屋の襖が蹴破られた。
「!!」
蹴破られた方を見ると、其処には漆黒の制服に身を包んだ男達がいた。
御用改めである!!神妙にしろ、テロリスト共!!
しっ…真選組だァっ!!
「イカン逃げろォ!!」
桂の声に反応し、足止めしようと刀を抜いた者以外の全員が逃げ出した。
後ろから、「1人残らず討ち取れェェ!!」と言う声がし、蘇芳はぼんやりと「土方さん真面目に仕事してるなぁ…」と呟いた。
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