銀魂

□第6訓
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「天人との戦いに置いて、鬼神の如し働きをやってのけ、敵はおろか、味方からも恐れられた武神…」
桂は銀時と蘇芳を見据えた。
「坂田銀時、紫逢院蘇芳。我等と共に、再び天人と戦おうではないか」
新八は、銀時と蘇芳を見つめ、震える声で問い掛けた。
「……銀さん、蘇芳さん、アンタ達…攘夷戦争に参加してたんですか」
その問いに桂が答える。
「戦が終わると共に姿を消したがな。…銀時、蘇芳。お前の考える事は昔からよく分からん」
蘇芳は自嘲の笑みを浮かべ、口を開いた。
「俺は…ホラ、どれだけ否定しても裏切者が親父じゃん。そんな野郎がいても、迷惑だろ?」
「そんな事は「あるんだよ!!」…」
「幕府の自作自演と思われかねない。…だから、俺は…」
新八は思った。
今の口振りでは、まるで。

まるで、今でも攘夷の思想は忘れていないみたいじゃないか。

「…俺は…!!」
何かを言おうとした蘇芳の肩を、銀時が抑え、前に出る。
「銀…」
銀時は蘇芳に笑って見せ、桂に向かった。
「俺ァ、派手な喧嘩は好きだが、テロだのなんだの陰気くせーのは嫌いなの」
銀時は真剣な顔で桂に告ぐ。
「俺達の戦はもう終わったんだよ。それをいつまでもネチネチネチネチ。京都の女かお前は!」
「馬鹿か貴様は!京女だけでなく女子はみんなネチネチしている。そう言う全てを含めて包み込む度量がないから貴様はモテないんだ」
「バカヤロー、俺がもし天然パーマじゃなかったらモテモテだぞ。多分
「何でも天然パーマのせいにして自己を保っているのか、哀しい男だ」
「哀しくなんかないわ、人はコンプレックスをバネにしてより高みを…」
アンタ等何の話してんの!!
新八の至極当然な突っ込みに、桂は何事も無かった様に話題を戻した。
「俺達の戦はまだ終わってなどいない。貴様達の中にとてまだ残っていよう、銀時、蘇芳…。国を憂い、共に戦った同志達の命を奪っていった、幕府と天人に対する怨嗟の念が…。特に、蘇芳。お前の中に」
蘇芳は何も言わず、桂を睨んだ。
「今日の戌威族へのあの言葉…母を殺した、戌威族への怨みは」
「…っ!!」
新八と神楽は驚愕に満ちた表情で蘇芳を見つめた。
道理で、あんなにキツい言葉を吐いてた訳だ。
そんな中で、蘇芳は、忌まわしき過去が頭の中でフラッシュバックしていた。
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