銀魂

□第5訓
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「…バッチリ映っちゃってますよ。どーしよ、姉上に殺される」
「テレビ出演。実家に電話しなきゃ」
真っ青になる新八の横で、神楽は楽しそうにテレビに映る自分達を見つめた。
此処は高級老舗と名高いHOTEL IKEDAYA…素直に池田屋と言えばいいのに。
とにかくそんな高層ビル。
其処に銀時達はいた。
「何かの陰謀ですかね、こりゃ。何で僕等がこんな目に。唯一桂さんに会えたのが幸いでしたよ」
新八は能天気に続ける。
「こんな状態の僕等匿ってくれるなんて。銀さんと蘇芳さんは桂さんと知り合いなんですよね?どーゆー人なんですか?」
「新八…俺があいつに着いていくの躊躇ったとこで気付けよ」
「え?」
「んーーー…テロリスト
「はィ?」
銀時の簡潔な説明に、新八はすっとんきょうな声を出した。
「そんな言い方は止せ」
スゥと障子が開き、桂が何人かの男を従えて入って来る。
この国を汚す害虫“天人”を討ち払い、もう一度侍の国を立て直す。
我々が行うは国を護るが為の攘夷だ。卑劣なテロ等と一緒にするな」
「攘夷志士だって?!」
「なんじゃそらヨ」
蘇芳は神楽に簡潔に解説する。
「攘夷ってのは20年前の天人襲来の時に起きた外来人…この場合天人だな。そいつ等を日本から追い出そうって言う思想だ。高圧的に開国を迫って来た天人に危機感を覚えた侍が奴等を追い出そうって一斉蜂起して戦ったんだ。…でも」
蘇芳は何かを思い出したのか、苦虫を潰した様な顔になった。
「天人の強大な力を見て弱腰になった腰抜けの幕府は侍達…俺達を置き去りに、勝手に天人と不平等条約を結んで、幕府の中枢を握った天人は刀を奪って、無力化しやがったんだ」
「確かその後、主だった攘夷志士は大量粛清されたって聞いたけど…まだ残ってたなんて…」
新八が呟いて、隣を見ると、蘇芳と銀時が何かを睨んでいた。
「…どうやら、俺達ァ踊らされたらしいな」
「?」
「なァ、オイ。飛脚の兄ちゃんよ」
銀時の言葉に新八と神楽は桂の後ろに控える男達を見る。
すると、その中に見た事がある顔がいた。
「あっ、ほんとネ!!あのゲジゲジ眉デジャヴ!!」
「ちょっ…どーゆー事っスか、ゲジゲジさん!!」
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