銀魂

□第1訓
6ページ/15ページ






その後。
蘇芳と銀時は女性───志村妙に【恒道館道場】に連れ込まれ、銀時だけ思いっきりボコられて(蘇芳は何故か殴られなかった)、2人で正座させられていた。
「いや、あのホント…スンマセンでした」
「本当に申し訳ありませんでした」
「俺達もあの…登場シーンだったんで…ちょっとはしゃいでたって言うか…調子に乗ってました。スンマセンでした」
「ゴメンで済んだらこの世に切腹なんて存在しないわ。アナタのおかげでウチの道場は存続すら危ういのよ」
お妙は小太刀を鞘から抜きながら続ける。
「鎖国が解禁になって20年…。方々の星から天人が来る様になって江戸は見違える程発展したけど、一方で侍や剣…旧きに権勢を誇った者は今、次々に滅んでいってる。ウチの道場もそう。…廃刀令の煽りで門下生は全て去り、今では姉弟2人でバイトして何とか形だけ取り繕ってる状態。それでも父の遺していったこの道場護ろうと、今まで2人で必死に頑張って来たのに…」
妙は小太刀を振り上げ、ゴリラによく似た形相で叫んだ。
お前のせいで全部パーじゃボケェェ!!
落ち着けェェ姉上!!
新八君!!君のお姉さんゴリラにでも育てられたの!!
何火に油注いでんだ馬鹿ァァ!!
「待て!待て待て落ち着けェェ!!」
そう言いながら銀時は名刺を姉弟に渡した。
「…何コレ?名刺…」
「万事屋 坂田銀時?」
「こんな時代だ、仕事なんて選んでる場合じゃねーだろ。頼まれれば何でもやる商売やっててなァ」
銀時は立ち上がり、格好良く決めようとした。
「この俺、万事屋銀さんが、何か困った事あったら何でも解決してや「だーから、お前に困らされてんだろーが!!」」
銀時の言葉は最後まで発せられる事はなく、お妙の蹴りによって切らされた。
「仕事紹介しろ、仕事!!」
「落ち着けェェェ!!仕事は紹介出来ねーが!!バイトの面接の時、緊張しないおまじないなら教えてや…」
いらんわァァァ!!
お妙はジャンプ漫画の主人公にあるまじき顔をして倒れる銀時から蘇芳に照準を変えた。
「アナタ「申し訳ありませんでしたァァァ!!」…え?」
出鼻を挫かれ、お妙はキョトンとした。
「俺に出来る事なら、何でも…とは言い切れませんが、出来る範囲の事ならします。何でも仰有ってください、お嬢さん」
「お嬢さんって、そんな…年下の子にそんな事言われたら、お姉さん照れちゃうわ」
「…あの、お見受けしたところ、お嬢さんはまだ…10代に見えるのですが?」
「?えぇ、18よ」
「…あれ?僕より年下じゃないんですか?」
2人の言葉を受け、蘇芳は壁に向かって体育座りをして落ち込み始めた。
「…どうせ…どうせ、21には見えないさ…童顔だよ、1人で酒屋行ったら酒買えねーよ(管理人の実話)。夜に街歩いてたら補導されるよ(管理人の(ry)。レンタルビデオ屋行っても『君、ちょっとー、未成年がこんな場所に入ったら駄目だよー』とか言われて暖簾の先には行けねーんだよ(管理(ry)。どうせ何歳になっても永遠のロリショタ少年とか言われるんだ、きっと。…フフ。フフフフフフ」
「だ、大丈夫ですよ、男は身長じゃありません、中身ですよ、中身!」
「…いいね、君は。これからもっと伸びそうな骨格してる気がするよ。流石お嬢さんの弟君だ」
「え、何だろう、褒められてる様な気がするけど、貶されてる気がする」
「君もいつかなれるよ、ビルを軽々登るあの巨大なスターに
「ゴリラって言ってますよね、明らかにそれお笑いコンビじゃない方のアレの事言ってますよねェェ!!」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ