銀魂

□第1訓
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店員の少年───志村新八は店長を殴り飛ばした少年を見上げた。
「ごっめーん、銀。先にやっちゃった」
燃える様に真っ赤な髪に満月によく似た黄金の瞳をした少年。
その横から銀髪の男が来た。
銀髪の男の腰には木刀。
───侍?!
新八は男を見上げた。
「何だ貴様ァ!!」
「廃刀令のご時世に木刀なんぞぶらさげおって!!」
茶斗蘭天人が騒ぐ中、男は腰から木刀を抜き、口を開いた。
「ギャーギャー、ギャーギャー、喧しいんだよ。発情期ですか、コノヤロー」
すっと男はパフェグラスを持ち上げる。
「見ろ、コレ…。てめーらが騒ぐもんだから、俺のチョコレートパフェが、お前、コレ…まるまる溢れちゃったじゃねーか!!
「!!」
男は木刀で天人を殴り飛ばした。
「…きっ…貴様ァ、何をするかァァ!!」
「我々を誰だと思って…」
クワッと目を見開き、男は天人に向かって叫びながら襲い掛かった。
「俺ァなァ!!医者に血糖値高過ぎって言われてて…パフェなんて週一でしか食えねーんだぞ!!」
男は木刀の一振りで天人2人一気に昏倒させた。

そいつ等は、侍と言うには余りに荒々しく、

「大丈夫か?1人で立てるな?」
少年は新八を立たせ、埃を払い、出ていこうとする男に続いた。

しかし、チンピラと言うには余りに…

「店長に言っとけ。味は良かったぜ」

まっすぐな目をした男達だった。
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