銀魂

□第0訓
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「…」
「…」
「…」
気まずい沈黙が3人の間を支配する。
1人は銀時。
かなり久しぶりの再会で何を話せばいいのか分からない。
1人は蘇芳。
銀時と同じく何を話していいのやら分からない。
そして最後の1人は、先程蘇芳に捕縛された男、上総槙である。
何故か気まずい。
「…よう、久しぶりー、銀。元気してたかよ?」
蘇芳はグイッと片手で自分の背丈よりも高い上総を立たせ、銀時を見た。
「お、おう、俺は見ての通りだ。…蘇芳も元気そうだな」
蘇芳に殴り飛ばされた跡が腫れ上がった上総を見ながら銀時は呟いた。
「積もる話もあるし、良かったらそこのサ店にでも「そいつも連れてか?」…だよね、冗談だって」
蘇芳に突っ込み、銀時は昔と何ら変わらない蘇芳を見て微笑ましい気持ちになった。
「おい、そいつ連れてったら此処に来いよ」
「?」
銀時は蘇芳に名刺を渡す。
「…万事屋銀ちゃん?…何でも屋って事?」
「まァな」
「ふぅん…分かった、また後で行くよ」
「待ってるからな」
ポンポン、と蘇芳の頭を撫でると蘇芳は頬を膨らませるまではしなかったがムスッとした。
「ガキ扱いすんなよ。もうあの頃みたいにガキじゃねぇんだからな」
「その割りには……………いや、男は身長じゃねぇもんな」
「今明らかにチビって思ったろ、明らかに自分と俺の身長比べたろ?!
「そんな事これっぽっちも思ってねぇよ?ただ、靴厚底履いて上げ底してるくせにまだちっさいなーとか銀さんこれっぽっちも思ってねぇよ?!」
滅茶苦茶思ってんじゃねぇかァァァァァァァァァ!!
「あ…あの…」
上総の声に蘇芳が振り向く。
「何だよ?」
「…警察、行かないんですか?」
「…あ」
「忘れてましたよね?さっきからずっと俺の存在忘れてましたよねェェェ?!」
「あー、気のせいだ、気のせい。さ、警察行くぞー………」
「…どうした?蘇芳」
「銀…警察署、何処か教えて?」
「…」
「…」
アホの子だ、こいつ。
銀時と上総はそう思った。
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