銀魂

□第6訓
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乾いた風が駆け抜け、砂埃が舞い上がる。
「…全く、おんしゃ無謀な事するぜよ」
血を流し、刀を地に差し、膝を付いた男は呟いた。
その言葉を受け、その背中合わせに立っていた子供が喉を震わせ笑ったのを空気で感じ、男はムッとした。
「…何が可笑しい?」
「そんな無謀な俺に着いてきたあんたも無謀だろ?」
男はその言葉に苦笑しか返せなかった。
「…さて、休憩は終わりだよ?…辰馬」
男───坂本辰馬は立ち上がった。
「…そうじゃの、蘇芳」
「辰馬。“希望を捨てない限り”、必ず、帰らせてやるからな」
子供───紫逢院蘇芳の生意気な言葉に辰馬はニヤリと笑って、刀を抜き、構える
「それはこっちの台詞じゃき」
砂埃が止み、周りの景色が見えてくる。
周りには、異形の姿をした天人達が大勢で蘇芳達を囲んでおり、殺気を放っていた。
「…さて。行こうぜ、辰馬ァ!!」
蘇芳は刀を振りかざし、走り出した。






その子供。

真紅の髪を靡かせ、

金に光る瞳で魅了し、

ヒラリヒラリと蝶の様に舞い、斬り刻む様は天女の様に美しく、

返り血を全身に浴びながら生き血を啜り、

戦うその姿は正しく。



戦場に咲き誇る曼珠沙華の華。
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