銀魂

□第1訓
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侍の国。

僕らの国がそう呼ばれていたのは、今は昔の話。

かつて侍達が仰ぎ夢を馳せた江戸の空には、今は異郷の船が飛び交う。

かつて侍達が肩で風を切り歩いた街には、今は異人がふんぞり返り歩く。




「だからバカ、おめっ…違っ…それじゃねーよ!!其処だよ、其処!!おめっ、今時レジ打ちなんてチンパンジーでも出来るよ!!オメー人間じゃん!1年も勤めてんじゃん!何で出来ねーんだよ!!」

やたら五月蝿い店長の声をBGMに、蘇芳は頬杖を付き、横目でパフェを食べようとしている銀時を見た。
「ホント銀って甘いモン食べる時は幸せそうだな」
「まぁな」
「…あー、どっかに仕事転がってないかなぁ。家賃分の。今月も家賃払えないんじゃねぇの?ヤバくない?」
「大丈夫だって、何とかなるって!」
「給料払えないくらい切羽詰まってる癖に…。またどっかの賞金首狩ってくるかなー…」
「危ない事はするなよ」
「大丈夫だって、銀には…ちょっと負けるかも知れないが、そんなには弱くないもん、俺。むしろ強いもん、俺」
「まぁ確かにそうだろうけど、銀さん蘇芳の事心配なんだよ」
頭をわしゃわしゃと撫でながら銀時が言うと、蘇芳は不機嫌になった。
「だから、ガキ扱いすんなよ。もう20越えてんだぞ?」
「だったらもうちょい身長伸ばせよ身長。カルシウム摂れ、カルシウム」
苺牛乳と珈琲牛乳しか飲めないくせに偉そうな事ほざくな、天パ野郎
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