復活

□雨のち風邪ひき2人
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「ん……」

「お、目、覚めたか?」

「ここは?」

「俺の泊まってるホテル」

「なんでここに居るの?」

「覚えてねーのか?お前、見回りの途中でブッ倒れたんだぜ?」

「そう‥‥」


それだけ言って再びベッドに潜る恭弥。


「何か食うか?」

「うん」

「何がいい?」

「何でもいい」

「じゃあ、お粥な?」

「ん…」






お粥を作って、水や薬と一緒にベッドルームへ持っていった。


「恭弥、出来たぞ」


ゆっくりと体を起こす恭弥。

食欲はあるらしく、俺の作ったお粥をペロリとたいらげた。


「はい、次は薬な」


水と薬を手渡すとしかめっ面をした。


「どーした?」

「薬なんて飲まなくても治るよ」

「はぁ?」


さっさとベッドに潜る恭弥。


「おい!恭弥…」

「うるさいな。いらないって言ってるでしょ?」

(ったく、しゃーねーな…)


水と薬を口に含み、布団をめくる。


「ちょっと!何すん……んっ」


恭弥の抗議を聞く前に深く口付けた。

最初は抵抗していたものの、しばらくすると呼吸がつらくなったのか、俺が流し込んだものを飲み込んだ。


「げほっ、げほっ。あなた、バカなんじゃないの?」


真っ赤な顔で睨んでくるが、いつもの鋭さは無い。


「バカで結構」


そう言ってベッドの中に潜り込んで、恭弥を抱きしめる。


「移ってもしらないよ」

「いいよ、別に。それに、風邪は移したら治るんだろ?」


悪戯っぽく笑いながらそう言うと、本当にバカなんじゃないの…と呟いてそっぽをむいてしまった。


「おやすみ、恭弥。早く治せよ」


そう言って丸い頭にキスをして、2人で眠りについた。





-END-
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