復活

□Happiness
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お昼、いつものように屋上に出て3人で弁当を食べていた。


「10代目?」

「へ?あっ!ゴメン」

「大丈夫か、ツナ?すんげーボーっとしてたけど」

「えっ、いや、大丈夫だよ!大したことないし」

「なら…いいんすけど…」


少し、言葉を濁す獄寺君。


「しっかしこのチョコどーすっかな」


今日はバレンタイン。

人気の高い山本は、女子から大量のチョコレートを受け取っていた。

もちろん獄寺君もそれに負けないぐらい貰っている。


「ツナ、ちょっと食わねえ?」

「えっ、でも…」

「いーじゃねーか、腐らしちまっても悪ぃし」

「そうだね」


そう言って山本から貰ったチョコレートに手をつける。

甘い。


(まぁ、当たり前か)


「そーいや、ツナ」


山本が口を開いた。


「最近、ディーノさん見かけねーのな」

「どーりで静かな訳だぜ」


ズキリと胸が痛んだ。


「そう…だね」


思ったよりも弱々しい声になってしまった。


「もしかして、それで元気なかったのか?」

「……まぁ、それもある…かな?」


あははと力なく笑う。


「10代目……」


正直いって、寂しい。

今すぐにでも、太陽みたいにキラキラ笑うディーノさんに会いたい。

声が聞きたい。

いつもみたいに、ギュッて強く抱きしめてほしい。

でも、それは出来ない。

日本に来ないということは、仕事が忙しいということ。

俺のわがままでディーノさんを困らせる訳にはいかない。


「よし、ツナ!」


急に名前を呼ばれて、ビックリして顔をあげた。


「今日はさ、パーッと遊びに行こうぜ!!」

「そうですよ、10代目!行きましょう!!」

「2人とも…」

「ありがとう」

「とんでもないっす!」

「どういたしまして」




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