復活

□雨のち風邪ひき2人
1ページ/3ページ






久々に長期の休みが取れたので、日本に行くことにした。

行きたいところは沢山あるけど、一番はやっぱ恭弥のとこ。


「早くつかねーかな…」


そんなことを考えながら、自家用ジェットの窓の外を眺めていた。










「うわ、ひでーなこれ…」


並盛に着くと、大雨が降っていた。

恭弥のことが心配になって、急いで並中に向かった。





応接室に着くと、草壁しか居なかった。


「あれ?恭弥は?」

「それが…外に見回りに行ってくる、と言って出て行ったきりなんです…」

「この雨にか?」

「いえ、委員長が出掛けたときには、まだ降っていなかったんですが…」

「……。俺、探してくる!」

「!?」


草壁が何か言っているような気がしたが、部屋を飛び出した俺の耳には、入ってこなかった。








車に乗って路地を走っていると、雨に打たれながらふらふらと歩いている恭弥を見つけた。

車を停めて、傘を出し、恭弥に歩み寄った。


「恭弥!心配したんだぜ?雨降ってんのにまだ……」


不意に恭弥の体が倒れたので、とっさに傘を離し体を支える。


「恭弥?」


体が熱い。


「ディ‥‥ノ‥?」


まさかと思い、額に手を当てると酷い熱があった。


「おまっ‥熱あんじゃねーか!」


急いで抱き上げ、車に乗せた。

並中に帰ってもしょうがないので、草壁に連絡を入れ、俺の泊まっているホテルに連れて行くことにした。

車を運転しながら、ロマーリオに電話をして、風邪薬を買ってくるように頼んだ。

どうやら、その間に寝入ってしまったのだろう(気を失ったのかもしれないが)すうすうと静かな息が聞こえてきた。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ