復活
□雨のち風邪ひき2人
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久々に長期の休みが取れたので、日本に行くことにした。
行きたいところは沢山あるけど、一番はやっぱ恭弥のとこ。
「早くつかねーかな…」
そんなことを考えながら、自家用ジェットの窓の外を眺めていた。
「うわ、ひでーなこれ…」
並盛に着くと、大雨が降っていた。
恭弥のことが心配になって、急いで並中に向かった。
応接室に着くと、草壁しか居なかった。
「あれ?恭弥は?」
「それが…外に見回りに行ってくる、と言って出て行ったきりなんです…」
「この雨にか?」
「いえ、委員長が出掛けたときには、まだ降っていなかったんですが…」
「……。俺、探してくる!」
「!?」
草壁が何か言っているような気がしたが、部屋を飛び出した俺の耳には、入ってこなかった。
車に乗って路地を走っていると、雨に打たれながらふらふらと歩いている恭弥を見つけた。
車を停めて、傘を出し、恭弥に歩み寄った。
「恭弥!心配したんだぜ?雨降ってんのにまだ……」
不意に恭弥の体が倒れたので、とっさに傘を離し体を支える。
「恭弥?」
体が熱い。
「ディ‥‥ノ‥?」
まさかと思い、額に手を当てると酷い熱があった。
「おまっ‥熱あんじゃねーか!」
急いで抱き上げ、車に乗せた。
並中に帰ってもしょうがないので、草壁に連絡を入れ、俺の泊まっているホテルに連れて行くことにした。
車を運転しながら、ロマーリオに電話をして、風邪薬を買ってくるように頼んだ。
どうやら、その間に寝入ってしまったのだろう(気を失ったのかもしれないが)すうすうと静かな息が聞こえてきた。
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