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□spiritoso
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「……ティムー、おはよー……食堂いこっか……」
僕は枕の隣に手を伸ばした。
あの丸くて金色のゴーレムを撫でようと思って。
が。
「あれ、ティム……?」
いない。
「どこいっちゃったんだよー、もー……」
ベッドから起き上がる。
「……ん?」
どこだ此処。
あの中央庁から来た監査官もいない。
というより、部屋そのものが違う気がする。僕の部屋はこんな殺風景じゃないし、窓だって割れてない……はず。
間違いなく僕の部屋じゃないことはわかった。
思わず立ち上がり、窓を鏡の代わりにして自分の姿を見てみた。
「まさかね……」
そのまさか、だった。