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□spiritoso
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「てか、この体どう考えてもおかしいだろ!食っても食っても腹が減ってんだよ!」
「この体だっておかしいです!ほんの少ししか食べられないじゃないですか!」
とりあえず、この体ではイノセンスもろくに使えない。つまり任務に行っても戦うことができないので、解薬剤ができるまで教団で過ごすことになった。
ただ、自分の目線の高さとか、なによりこの食欲だとか―……自分じゃないみたいで(いや、確かに自分ではないのだが)気味が悪い。
それは神田も同じみたいだった。
すごくいらいらした様子で舌打ちとかしているみたいだけど、正直あんまり決まってない。
「めんどくせぇ……なんでこんなことに「アレン君!神田!」
「り、リナリー!?」
いつの間にか神田(というより僕)の上に乗っかっていたリナリーは、下にいる神田(しつこいけど僕)の顎を持ち上げた。
「……なんだよ」
今度はリナリーは僕のほうを見る。
心なしか目が輝いている。……なんかものすごく嫌な予感しかしないんですけど……
「兄さんから聞いたわ。今、二人ともイノセンス使えないのよね?」
「え、あ、はい。そうですけど」
「ちょっと神田貸してねアレン君!」
そう言って目にもとまらぬ速さで神田(何度も言うけど僕)を拉致って行った。
「リナリー!待ってー!それ僕の体ー!」
食堂の人たちに変な目で見られながらも、僕は二人の後を追いかけた。