過去を繋ぐ物語

□不思議な夢
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曇天の空。



今にも雨が降り出しそうな空を俺はただただ見つめる。



すると、ポツリポツリと温かい雨が頬をつたい始める。



「雨…」



ボーッと空を眺め続ける。



しかし雨は降っていないのだ。



流れているのは、自分自身の涙だった。




「え……、あ、俺、泣いて、る?」




そんな涙を拭うのに、手を見るとその手は真っ赤に染まっていた。








「―――っ!」

目を開くと、そこは見慣れた部屋。


「夢か…」


また変な夢を見てしまった。

時計を見るとまだ深夜。

(血が、ついていた……)

夢の中の自分は空を眺めていて、手には真っ赤な血がついていた。
おそらく俺は怪我をしていなかったので、多分その血は俺のものではなく他の人のもの。

今日はなぜか夢を覚えている。
いつもなら目が覚めたら内容は忘れてしまっていて、変な夢を見たという事実だけしか覚えていないのに。


(………寝よう)


これ以上考えても無駄だと思った。
はぁ、と息を吐いて再び眠りに落ちた。
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