「DIGI:EYEs」

□プロロ−グ
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 これはデジタルワールド大戦期後の物語である。ロイヤルナイツと七大魔王が激突し、疲弊したその二大勢力が再生を始める時期。何も起こる筈がない、起きてはならない時期に、奴ら≠ヘ再びやってきた。








DIGI:EYEs プロローグ









 東京都池袋。まだ朝だというのに、この町は人であふれかえっている。どこからともなく人の声が聞こえ、足音がそびえ立つビル群にこだまする。
 その中で一人の少年が、すました顔で壁に寄りかかり、ケータイ片手にヘッドホンで音楽を聴いている。
 朝から学校も行かず池袋に子供がいるのはいかがなものかと思うだろうが、今は8月。子供たちは夏休みの真っ最中なので何ら問題は無い。
 夏用のニット帽を被った彼は矢木達也。高校1年生。ちなみに猫目。顔も勉強も運動も中の上といったところか。
 そんな彼に走りよる少女。

「ごっめーん。達也、待った?」

 彼女が少し息を切らしながら達也に問う。

「いや、俺も今来たところ」

 ケータイをいじりながら目も合わせずに達也はそう返した。全くセオリー通りなのだが、事実達也がついたのは2、3分前なので今来たと言ってもいいだろう。

「よかったー。っていうかそのオレンジ色のヘッドホン。遠くから見てもすぐわかったよ」

 そう言って少女、熊野夢花はニコッと笑った。
 夢花は達也の幼馴染であり親友でもある。ふわふわしたウェーブミディアムの髪型に大きな目、背は低く普通の人が見れば可愛いと思うだろう。小さい頃から一緒にいた達也には、そんな風に見えた事などないのだが。
 二人の家は隣なので一緒に来ればよかったのだが、夢花は途中でよる所があり、目的地に近い池袋で待ち合わせることにしていた。

「じゃ、行くか」

 達也がケータイをポケットに突っ込みながら言った。

「そういえば、どこに行くんだっけ?」
「メールで送らなかったけ? 仁のとこだよ」
「仁さんの家? 随分久しぶりだよね」
「そうだな。……2年ぶりかな?」

 二人は2年前までの事を思い出す。あの頃は達也の従兄である仁の家に、ほぼ毎日遊びに行っていた。家も池袋ではなく、達也たちの住む町に彼は住んでいた。
 そして毎日のように聞かされていたことがある。

「やっぱりあの話かな?」

 遊びに行く度聞かされていたこと。

「うん、あの話でしょ」

 そう、毎日聞かされた『あの話』。








 ――デジタルモンスター。








To be continued......

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