萌えのシチュエーション15

□5、相手を庇ってできた怪我
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5、相手を庇ってできた怪我






コンコン



「ガウリイ。」


「おう、リナ。」


「怪我の具合どう?」


「もう、だいぶいいぞ。」



3日前、あたし達は魔道士協会から依頼をうけた。
内容は、レッサーデーモンが森で大量発生しているから退治してくれ、ということだった。


最初は、うまくいっていた。
着々と依頼をこなしていったあたし達は、あと一歩ってとこでへまをしてしまった。


「あと少しよ!!ガウリイ!」


「ああ!」



声とともにガウリイは、相手していた一匹を倒した。

その時だ。あたしは、森の茂みでぬかっていた地面に足を滑らせた。



ずる!

「うきゃ!!?」


べちゃっ!



「リナ!!」


一瞬の隙をみて最後の一匹のレッサーデーモンがこっちに向かってかかって来た。


ぐわぁぁあ


あたしは、態勢を立て直すが間に合わない!!




咄嗟に目を瞑ったあたしだがいつまでたっても痛みは、ない。



逆に感じるのは、暖かい腕の感触だ。



「っ!」



「なっ?!ガウリイ!!」



ガウリイがあたしを庇ったのだ。


「っ!リナ、大丈夫か!?」



「あたしは、平気よ!それよりあんたの方が…」



と、その時またもやレッサーデーモンが掛かって来た!

今度こそ!!



「青魔烈弾波!!(ブラム・ブレイザー)」


ざすっ



ギャアアァ




最後の一匹を倒した。


が、ガウリイは、あたしを庇って怪我をしてしまったため、倒したあと気絶してしまったらしい。



あたしは、急いで街に戻りガウリイを魔法医に見せた。




幸い大事にはいたらなかったが…






「ねぇ、ガウリイ…」


「ん?なんだ?」



「……なんで、あの時庇ったりしたのよ。」


「何でって…そりゃあ…」

「保護者、だから?」



あたしは、ガウリイの言葉を遮って言った。

予想は、出来る。
ガウリイの口癖みたいなもんだし。

だが



「いや…リナが大切、だから。」


え?

なんか意外な言葉が出て来たんですけど…



「ええと…」


じっとガウリイは、あたしを見ている。


「だ、だからって何も怪我してまで、庇う必要ないじゃない!!あんたの腕ならレッサーデーモンぐらい真っ二つに出来たのに。」



「いや〜考えるより先に体が動いてなぁ」


と笑いながら、ガウリイは、言った。


こ、こいつは…




「でもだからって…」


「ああ、リナには心配かけたな。すまなかった。」


くしゃり


大きな手があたしの髪を撫でる。

いつもならムカついて振り払うのに今は、物凄く落ち着く。



「バカガウリイ。」


「おまえなぁ…」


「…もう心配かけないでよね。」


「……ああ。」



そしてもう一度ガウリイは、あたしの頭を撫でた。








それから、ガウリイが怪我を治したあと、ちょっぴり上乗せした報酬をもらい今まで通りの旅を続けたのだった。









無理やりEND
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