紅獅子 物語
□終結と始まり
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開校から、さらに数年の時が経ち、1期生の卒業生を送り出したホグワーツ。今は、次の新学期を迎える為の準備中である。ゴドリックは、モソモソッと布団から顔を出し、黄金色の瞳を薄っすらと開けた
「・・ん、もう朝、か」
地下室のサラザールの私室。地下である為、光の差込は僅か。彼は、卒業式を思い出して「フフッ」と嬉しそうに笑う
「・・・俺達の、夢・・・叶ったんだよな。これからも、ずっと、続いてくんだ」
そう呟いて、ふと傍にあるはずの温もりが無いことに気づき、ゴドリックは視線を彷徨わせると彼の寝ているベットに腰掛て背を向けているサラザールを見つけて、フッと微笑んだ
「サラザール」
「・・・」
「?サラザール?」
「!・・・起きたか、ゴドリック」
「ん?あぁ。どうしたんだ?呼んでも返事しなかったけど」
「・・・いや。何でもない」
「?そうか?何か、あったなら言えよ。オマエには、色々助けてもらったしさ。俺は、力になりたいから」
「・・・フッ、あぁ。オマエで対処できるような悩みならな」
「・・おい、どういう意味だ〜。どうせ、俺はオマエより頭悪いですよ〜っだ」
「フフフ、オマエは」
サラザールの手が彼の頬に触れる
「んっ・・・サラザール?」
「オマエは、我の傍に居ろ。それだけで我は十分だ」
「・・・それだけじゃ、俺は満足出来ない。俺は」
「・・・傲慢な奴だ。これではどちらが貪欲なのか分かったものではない」
「どういう意味だよ、それぇ」
「・・・フッ、まぁ、オマエの場合、他者の為の貪欲なのだから、また違ったものだな」
「・・・?」
「フフフ、ところで着ないのか?」
「・・・え?」
サラザールに言われて下を見て顔を真っ赤にする
「○×$дж?!」
言葉にならない声を上げて、ゴドリックは布団を顔の下まで被りなおした
「・・・ッ;;」
「我は先に行っている。早く来い、ゴドリック」
「え?あ、あぁ」
(いつもなら、一緒に行くのに。今日は何かあるのか?)
サラザールは先に部屋を出る。誰も居ない廊下で彼は右の甲を見れば、何処かで切ったわけでもないが、ぱっくりと裂かれて血が流れていた
「・・・・・・もう、時間は無いのか」
(次期が、迫っている。我に残された時間も、あれと共に居る時間も、最早、無いのだな)
彼は、杖を手にし、先端を傷へ向けて傷を治した。それがまた起きてこないことを確認する
「もう、少しは、大丈夫、か。その間に我は、オマエに何を残せるのだろうな、ゴドリック・グリフィンドール」
そう呟いて、サラザールは廊下を歩いていった。それから、1週間が経った
「サラザール、一緒にホグズミートに行かないか♪・・・・・・あれ?」
彼の自室へ訪れてみたが、扉から顔を出して中を見るも、部屋の主は居ない。扉を閉める
「何処、行ったんだ?」
ゴドリックは首を傾げながら、廊下を歩き始める。彼の行きそうな箇所を探し、ヘルガやロウェナのところに行ったが居なかった
「ん〜、何処行ったぁ〜、サラザール〜〜〜;;」
ホグワーツ中を回るゴドリックは、ガーゴイル像の前に行く
「え〜っと・・・『ソレスタル』」
ガーゴイル像が動き、現れた螺旋階段の段上に乗る。像が止まり、彼は目の前の扉へ歩き、扉をノックした
「?入りたまえ」
「失礼します」
中の人物から許可を貰い、扉を開けて、中に入る。其処は、校長室。サラサラと羽ペンを動かしているガイリオスが居た
「少し待っていてくれ」
「はい」
最後の一文字を書き終えて、ガイリオスは羽ペンを置いて、机の前まで来たゴドリックに目を向ける