紅獅子 物語

□魔法の古城に父の痕跡
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ゴドリック・グリフィンドールとサラザール・スリザリンが断金の交わりを交わしてから1週間後、すっかり元気になったゴドリックはサラザールと共に魔法省に来ていた。魔法省の防音魔法を施された部屋で2人はゼロスともう1人。金の長髪を紅の紐で束ね、海のように深い青の瞳をもつ者と会っていた。彼の名は、レオス・フェルレオナーク。現在の魔法省大臣である


「ふむ、学び舎か」

「だから、その為に力を貸して欲しいんだ」


顎に手を当てて考え込むような仕草をしているレオスに真剣な表情でゴドリックが言う。レオスは彼の方をチラリと見て、フッと微笑んだ


「本当に、グリフィンドール家は突発的なことを考え出す。なぁ、ゼロス」

「・・まったくだ。だが、面白そうじゃねぇか」

「あぁ。そうだね」

「!?・・じゃあ」

「断る理由は無いからね」

「その話、俺達も乗らせてもらうぜ♪」

「ありがとう!」

「ところで、君達2人で成そうと言うのかな?」

「我等だけでというのは、少々問題点がある。知識的な面でも、我が知らぬこともあるし、ゴドリックはそちら側は問題外だ」

「・・・おい。サラザール、オマエ、俺を馬鹿にしてないか;;」

「行動力は賞賛に値している」

「え?・・・そ、そう、か;;」

(それ、馬鹿にされてるのと一緒だからな、グリフィンドール;;)


ハァっとゼロスは溜息を吐き、レオスはニコニコしている


「そうだねぇ。では、私の方から2人紹介しよう」

「2人?」

「心当たりがあるのか?レオス・フェルレオナーク」

「あぁ。居るよ。今、私の秘書をしている女性とその友人」

「あぁ。レイブンクローとハッフルパフか」

「レイブンクローとハッフルパフ?」

「6大貴族の者か。確か、レイブンクローは知識を重んじているが故に様々な知識を持ち得る叡智の家系。ハッフルパフ家は、植物に関して詳しい一族だったな」

「ハッフルパフ家は、あと料理でも有名だな。学び舎、寮生とかにするんなら、必要じゃないか?」

「寮か。そうだよな。寮とか、良いよな。サラザール」

「確かに。それならば、遠くの者でも問題ない」

「んじゃ、寮決定な♪んでも、そうなると、学校の規模がなぁ〜」

「・・・ゴドリック、それよりもまずは他のことが重要だろう?何年生にするのか。教科はどのようにするか。何より、教科書を作らねばならん」

「あぁ〜、やること山済みだなぁ;;」

「とりあえず、2人には私から声を掛けておくよ。返事は追って伝えよう」

「てことで、今日はここまでにしとけ。スリザリンはともかく。オマエは病み上がりなんだからよ」

「大丈夫さ、このくらい」

「これから忙しくなるんだ。今のうちに休んどけ。魔法省の一室空き部屋あっから、そこ泊まってけ。明日には返事が返ってくるし、レイブンクローなら、計画的に色々提案してくれるだろうからよ」

「・・・ん、だけどさ」

「・・今は休め、ゴドリック。まだ、始まったばかりだ。休めれる時に休んでおくべきだ」

「・・・・・・あぁ、分かった」


ゴドリックは部屋を後にし、サラザールも立ち上がり、彼の後を追おうとしたがレオスに呼び止められる


「・・・スリザリン」

「?なんだ?レオス・フェルレオナーク」

「・・君は、光を手に入れられたのかな?」

「・・フッ、そうだな。あの光を傍で見ていられたら良い。あれが輝き続けるならば、我は如何な事でもしよう。例え、闇の者と言われようとも。傍に太陽があれば良い」


ガチャッとドアが開き、先に出ていたゴドリックがヒョッコリと顔を出した


「・・・お〜い、まだか〜?サラザール。早くしてくれよ〜、オマエが居ないと俺、迷う;;」

「分かっている。神秘部にでも入られたら面倒だ」

「?神秘部って何だ?面白いのか♪」

「・・・行きそうな奴に誰が教えるか、馬鹿者」

「なっ!?誰が、行きたいって言ったんだよ!」

「顔に書いてある」

「え?・・」


先に部屋を出るサラザールと首を傾げながら、顔をペタペタ触るゴドリック。彼はサラザールに促され、慌てて彼の後を追った。2人の遣り取りをクスクスと笑うレオスと溜息を吐くゼロス


「フフフ、あの2人、本当に親と生き写しだ。ねぇ、ゼロス」

「あぁ、そうだな。初めは、スリザリンの奴、どうなるものかと思ったぜ」

「もう大丈夫だよ。月は、太陽とは相容れない。だが、最もそれを必要とする存在。太陽を見つけた以上、もう月は迷うことは無い」

「太陽に魅入られた月、か」


彼等が去った方を見つめながら、2人はフッと微笑んだのだった。ゴドリックとサラザールは、魔法省の一室に居た。話し込んだ分、今はもう日も沈み夜になっていた。ゴドリックは既に布団に潜り込んでいる


「なぁ、サラザール」

「なんだ?」

「良い人だよなぁ、フェルレオナークって」

「それはそうだろう。あれでも、光の一族の頂点に立つ者だ」

「魔法省大臣だって聞いたから、てっきりお堅い人かと思ったけど、全然違かったなぁ。レイブンクローとハッフルパフもどんな人達なんだろうな♪サラザールは会ったことあるのか?」

「いや。魔法省大臣の秘書となったレイブンクロー家とも会ったことが無い。話を聞く限りでは、かの家系では彼女の父親と同等の才女だという話だ」

「才女ってことは女性かぁ。じゃあ、その親友も女性なのかなぁ〜」

「確か、女性だったはずだ」

「へぇ〜・・・なんか、すっげぇ楽しみ♪どんな学校が出来るんだろうなぁ」

「さぁな」

「絶対、良い学校作ろうぜ♪サラザール」

「フッ、そうだな、ゴドリック」


それから、2人で他愛の無い話をして、ウトウトし出したゴドリックは、話の途中で眠ってしまった。サラザールは溜息を吐いて、乱れた彼の布団を直してやる


「まったく・・・フッ、だが、オマエは本当に我を楽しませてくれる」


スヤスヤと眠るゴドリックを見つめてから、サラザールも向かいのベッドに入り、眠ったのだった。翌日、ゴドリックとサラザールはゼロス、レオスと共にある部屋に向かっていた
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