紅獅子 物語
□夢への旅立ち
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翌日、ゴドリックは目を覚ました
「・・・んっ・・・?ここ」
「・・我の寝室だ」
天上を見つめていた彼の視線は声のする方へ向けられ、ベッド脇に座るサラザールの姿を見つける
「・・・サラ、ザール」
「・・・気分はどうだ?」
「・・あぁ。大丈夫だ」
「・・・そうか。すまなかったな、親族の騒動に巻き込んでしまった」
「・・別に気にしてないし。だけど・・・」
「?」
「・・・あんな風に、家柄で見る奴は嫌だな」
「・・あぁ、そうだな。だが、それも仕方のないことだ。純血主義の者は、血や家柄を主としている。幼い頃より、そう教えられ、成人となっていく」
「・・オマエは違うんだよな」
「父上が、そういうのは好きではなかったからな」
「・・・環境、か」
「?ゴドリック?」
ゴドリックは天上へ視線を移して、決意したように右手をギュッと握る
「サラザール。俺、さ・・学校を作ろうかと思う」
「学校?」
「マグル出身者の魔法族は、魔力を制御できないから人前で力を使ってしまう。なら、それを教える人が居れば、魔力は制御出来るし、マグル界でも大丈夫なんじゃないか?」
「・・・一理、あるな」
「それに、魔法族も、あんな考えを持たなくなるかもしれない。いろんな人と接して、さ。自分の道を、見つけてほしいんだ・・・・・・もう、こんな・・俺と同じ思いをするような人は、出したくないし、見たくない」
「・・・」
「だから、あのさ・・サラザール。手伝ってくれるか?」
「・・・・・・」
「・・・」
ゴドリックは視線をサラザールに向ける。いきなり、手伝ってくれと言われて、頷くとも思えず、彼を一度は突き放して、今更とも思う。だが、今のゴドリックにはサラザールに共に歩んで欲しいと願った為に出た言葉だった。サラザールはフッと微笑み、ゴドリックの頬に触れる。彼は不思議そうにサラザールを見つめた
「フッ、本当にオマエは、我の想像を超えたことを言う」
「え?」
「構わん。ゴドリック・グリフィンドール、オマエのその理想、我も付き合わせてもらおう。その考えには賛同できるが、オマエのことだ、無茶しすぎて自滅しそうだからな」
「・・・・・・それ、どういう意味だよ」
ムスッと不機嫌そうな顔をするゴドリックに、サラザールはフッと微笑むとゴドリックも彼に笑顔を向けた
「でも、すっごく嬉しい。ありがとう、サラザール♪」
「礼など無用だ。理想が実現するまでな」
「・・・でも、俺が言いたいんだ♪ありがとう、サラザール」
「・・・そうか」
そして、2人は、決して断ち切れることの無い絆で結ばれた「親友」と呼びあうようになるのであった
そして、2人は友と呼べる2人の魔女と共に1000年以上続く学校を築き
その名を魔法界の歴史に長く語り継がれる
ホグワーツ魔法魔術学校
という学び舎と共に
『夢への旅立ち』
一部完結