紅獅子 物語

□終結と始まり
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「待たせたね。それで、何かな?グリフィンドール」

「ガイリオス校長、サラザールが何処にいるか知りませんか?」

「スリザリンが?いや、知らないが。どうかしたのかな?」

「いえ。大したことじゃないんです。ただ、いつもなら、自室に篭って魔法薬の研究をしているから、偶にはと思って、ホグズミートに一緒に行こうと思ったんですけど、部屋に居なくて、ヘルガ達のところへ行ったけど、居ないんです」

「ふむ。秘密の部屋へは?」

「サラザールの秘密の部屋、知らないんです。アイツの部屋、全然見つからなくて」

「・・・そうか」

「・・・ん〜、此処でもないし、ガイリオス校長も知らない・・・・・・まったく、サラザールの奴、何処行ったんだ〜〜。此処最近、変だし〜」

「変?」

「そうなんです。何か、朝、起きると手をジッと見てることがあるし、先に行くことなんか最近ホント多くて、いつもは一緒に行ってくれるのに」

「・・・・・・」


ゴドリックは「失礼しました」と言って、校長室を後にした。ガイリオスは、両肘を机に置き、手を組み、顔をくっつけて、考え始める


「・・・まさか。いや、アレも黄昏蛇と同じく呪いの魔力持ち。やはり、次期が迫っていると、そういうことか・・・・・・彼を失った時、君は、どうする?ゴドリック・グリフィンドール」


悲しそうに彼はそう呟いた。ゴドリックは螺旋階段を下りて、廊下を歩いていると目の前に目的の人物を見つけた


「!・・・サラザール!!」

「?!・・・ッ?!なっ!?」


ゴドリックは、彼に飛びついた。背後からのアタックに驚くサラザール。ギュッと抱きついているゴドリックは、嬉しそうに顔を上げる


「何処行ってたんだよ!捜したんだからな!」

「・・・だからと言って、いきなり人に抱きつくな馬鹿者;;」

「だって・・・・・・?サラザール、右手、どうしたんだ?」


ゴドリックの視線の先には、掌から少量の血が流れている。サラザールは、右手を見つめて、杖を振り、傷を治した


「何でもない」

「薬草取りにでも行ってたのか?あれ?でも、掌に怪我なんか出来たか?甲なら分かるけど」

「棘の付いたものがあったのだ」

「・・そうなのか。気をつけろよ、ただでさえサラザールは肌白いんだから。目立つぞ」

「・・・我は女ではないぞ」

「女より白いんだ。傷物になったらどうするんだよ」

「・・・・・・貴様、我を何だと思っている」

ビクッ
「ッ!?」


明らかに女性に対する気遣いにサラザールの纏う空気が冷めたのをゴドリックは感じた


「え?いや、だって・・;;」

「・・・・・・で、貴様は我に何の用だ?」

「え?」

「我を捜していたのだろう?」

「あ、あぁ。ホグズミートに一緒に行こうかと思って」

「・・・悪戯道具を買うでないぞ」

「そうじゃない!お菓子買いに行くんだ!」

「・・・・・・ゴドリック」

「ん?」

「・・・貴様、今年で幾つになる?」

「え?・・・ん〜・・・29歳」

「・・・三十路前の男がそんな理由で外出するな、馬鹿者」

「なっ?!なんだよ、その言い方!良いだろッ!別に〜!!じゃあ、良いさ。1人で行くから!!ついでに買ってきても、オマエには絶対!分けてやらないからな!!」

「・・・まだ、1度しか行ったこと無いはずだが、ホグズミートで迷子にならない自信はあるのか?」

「・・・・・・・・・・・・サラザール・スリザリン様、私が悪かったので一緒に行ってください;;」

「・・・・・・・・・はぁ、着替えをしてくる。城の前で待っていろ」


そう言えば、彼は輝かんばかりの笑顔をして、「早くしろよ〜!」と言いながら、走っていった


「やれやれ、あれでは目が離せぬな。だが、いざと言う時、貴様が頼りになることを我は知っている」
(本当の貴様は辛い時ほど笑うことを知っている。1人で居る時でも涙を出さぬように堪えようとすることも、苦しめられてきた敵にすら手を差し伸べようとするお人好しなことも、我は、知っている)


彼が去った先を見つめて微笑む


「・・・だから、貴様は強いのだろう。だから、貴様には「勇気」と言う言葉が似合う・・・貴様は「太陽」だからな、ゴドリック・グリフィンドール」


サラザールは、呟いて、自室へと歩き始めた。自室へ行き、着替え無くても良いのだが、一応、着替えて城の入り口に行けば、階段ところで城に来た時に知り合ったと言う絵画のラルフと話をしていた。そんな彼に少し不機嫌そうに眉を寄せるサラザール。彼の到着に気づいたラルフ


【さて、お話は此処までだよ、子獅子】

「だから〜、子獅子言うなッ・・・でもなんで?」

【僕としては、燃やされたりとかは嫌だからさぁ〜・・・嫉妬深〜い、蛇に燃やされたくないし〜】

「蛇?・・・・・・あ、遅いぞ〜!サラザール〜」


ラルフの言葉に首を傾げて、背後からの気配に振り向けば、待っていた彼が立っていた


「・・・貴様は少しは待てんのか;;」

「結構、待った」

「・・・なら、さっさと行くぞ」

「え?ちょっ、待てよ〜;;」


ツカツカと彼の前を通り過ぎ、城から出て行くサラザールにゴドリックは慌てて出て行った


【ホント、親子揃って嫉妬深い蛇だよねぇ〜・・・・・・互いに同じ光に焦がれるなんてさぁ】


やれやれと彼は軽く首を振った。その後、両手いっぱいに菓子の入った袋を持って、ご機嫌で帰って来たゴドリックと突っ込み疲れたのか溜息いっぱいのサラザールを見たというのは、それから4時間後のことだった。その日の夜、ゴドリックはサラザールに呼ばれた


「話があるって言ってたけど。何なんだ?しかも、今日じゃないといけないなんて」


彼は目的の部屋にやって来ると一応ノックをしてから中に入る。すると、いつもと部屋の感じが違うことに気づく。奥の部屋に行くとさらに可笑しい。部屋には彼が居たが、扉近くに数個のトランクがある
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