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□将来の君は・・・
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今日は梅さんが町内会の旅行に行ってる為、調理場が不在になっている。
皆はそれぞれ出かけているのでその間に夜ご飯の準備と仕込み中。
とりあえず簡単な料理・・・カレーライスを作ることにした。
「えっと・・・じゃがいもは・・・あった!」
冷蔵庫の中からじゃがいも、にんじん、たまねぎを取り出して水洗いをする。
「アカネちゃん!」
「わぁっ!!汗」
急に声をかけられて思わずじゃがいもを落としてしまった。
ひょいと拾い上げたのは・・・晃さんだ。
「ごめんね!そんなに驚くと思わなかったから」
「晃・・・出かけたんじゃなかったの?」
「出かけたんだけど急遽友達が用事入ちゃってやる事も無いししょうがないから帰ってきたの・・・・で、何してるの?はいじゃがいも」
じゃがいもを手渡される。
「あ・・・夜のご飯作ってるの。皆出かけて暇だし・・・」
「そうなんだ!じゃぁ俺も手伝うよ☆」
「えっ・・・いいの?」
「俺料理得意だからまかして!♪」
そういえば何度か晃にパスタとかご馳走になったことがある。
プロ並に美味しかった。
そして晃は梅さんがいつもしているフリフリエプロン(?)を着用した。
「ふふっ・・・晃・・・似合わない(笑)」
「えぇ〜・・・ちょっとは似合うと思ったんだけどなぁ」
「それを着こなしてるんだから梅さんは凄いよね!」
「確かに(笑)」
私達は雑談をしながら材料を下ごしらえをし、鍋に火をかける。
「油はねるから気をつけてね!」
野菜の水切れが悪かったのか、言われた側からはねた油が手にかかる。
「あつっ!!」
「アカネちゃんっ!!大丈夫?!」
晃はいったん火を止め、私の腕をつかみ急いで水道水に手をつけた。
「あっ・・・!だっ大丈夫です!これくらい・・・」
「だ〜め!!下手したら跡残っちゃうんだよ?ちゃんと冷やさなきゃ」
「はい・・・」
「まぁ・・・少し手のかかるぐらいの奥さんのほうが俺は好きだけどね♪」
「なっ・・・!!何言ってるんですか!!」
「アカネちゃんが奥さんなら俺変わりに毎日ご飯作ってあげるよ(笑)」
冗談なのか本当なのか・・・私はドキドキしながらしばらく水をあてていた。
「じゃぁ俺が炒めるからアカネちゃんは水用意してもらっていい?」
「はい!」
晃は手馴れた手つきで炒めて行く。
「こんなもんかな、アカネちゃん水入れて!」
私は言われたとおりに鍋に水を注ぐ。
「少し煮立ったらアクが出てくるからそれをとってしばらく煮込む。」
しばらくして、鍋が沸騰してきて丁寧にアクを取る。
集中してアクをとっていると晃が急に私の腰に手を廻してきた。
「ちょっ・・!!晃?!」
「・・・なんか新婚さんみたいだね。」
「しっ新婚さん?」
「あ・・・ほら。しっかりアク取らないと!」
私は晃に気を取られてすっかり手が止まっていた。