遊戯王夢

【ジャックの場合】
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急にジャックに呼び出され、何事かと思えば指定された場所はなんと高級レストラン。
こんな場所と縁が無い私は店の前でオロオロしていると、待っていたジャックに問答無用で席に座らされ、
ただ今、私は目の前の超豪華料理に唖然としていた―――。



「ジャック、これは一体……!?」



料理に圧倒されつつも、向かえに座るジャックにおそるおそる声を掛ける。
するとジャックは、フッと笑うと今まで黙ったままだった口を開いた。



「日雇いだが金が入ってな。最近はデートもろくに出来ていなかっただろう。今日はこのジャック・アトラスの奢りだ、遠慮せず食うといい!」



ドーン、と後ろに効果音が付いてきそうなほど偉そうな口調で言うと、ジャックは決まったといった表情を浮かべた。

確かに最近はWRGPの準備とかでデートもろくにしておらず、
ジャックとこんな豪華な店に入ること事態、久しぶりかもしれない。
普段は私にお金を頼ってばかりのジャックなだけに、
こうやって奢ってもらえるなんて、まるで初めて子供に親孝行された親のような気持ちになって涙が出そうになった。



「ホントに良いの? ジャックが折角稼いだお金なのにWRGPの資金に回した方が良いんじゃ……」

「フン、俺が稼いだ金をどう使おうが俺の勝手だろう。それに――これは日頃世話になっている礼も含めてだ」

「ジャック……ありがとう!」



笑顔でお礼を言うと、ジャックは頬を赤くして「礼は良いからさっさと食べろ!」と照れ隠しなのか大きな声で返した。
言われるがままに私は「いただきます」と一言言うと、目の前の豪華料理を早速口に含めた。
味は想像以上に、今まで味わったことのないような美味しさで自然と顔がほころぶ。



「おいしい〜! こんなにおいしい料理食べたの初めてだよ!」



満面の笑みを浮かべてもぐもぐと頬張りながら、料理からジャックに視線を変える。
しかし、ジャックは何も言わず、かといって料理に手を付けた訳でもなく、ジッと私を見つめている。
さっきまで照れていたジャックだったのに急に雰囲気が変わり、ドキリと心臓が一つ高鳴った。



「じゃ、ジャック?」

「お前のそういう気持ちを素直に表現するところが好きだ」



フッと口元を緩めて珍しく柔らかな表情でジャックに言われ、顔にどんどんと熱が込もっていくのを感じた。


いつも私に対して滅多に好きだとも言わないし、
私にお金を頼ったり、仕事もろくに見つけられないジャックだけども――


たまにこういう事も言ってくれるから、大好きなんだよね☆



fin.

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