遊戯王夢

□ヒーロー少年C
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黒猫ミキ様に捧げるクロウさん夢。少し逆ハー風味。





サテライト××地区―――

各地区の中でも最も治安の悪い場所の一つだといわれており、柄の悪い連中やデュエルギャングたちの溜まり場ともなっていた。
例えば、道中が女が一人などいれば構わず身ぐるみ剥がされ凌辱された末、女は海に捨てられる……など、黒い噂は後を絶たない。

もっとも、そんな噂がたつほどの所に娼婦以外の女はまず寄りつかないのだが
今日に限って一人だけ××地区に来ていた女がいた。


××地区のデュエルギャング達をデュエルによって屈伏させ、
この××地区を制覇しようと目論むチーム「サティスファクション」の一人――優香だった。





「ぐわあああッ!」



デュエルギャングのデュエルディスクが敗北した事によって爆破され、その場へと崩れ落ちるように倒れていく。
勝者の優香はデュエルディスクに繋がれたロープを外し、倒れた男の顔を見て意識があるか確認する。


(……気絶してるみたい、危なかった)


優香は少し安堵して、男から身を離れる。
この地区では、女がいるだけで男が狼のように襲ってくるという噂があるらしい。
噂が噂だけに、今回の奇襲作戦は優香はチームから外されていたが、
優香が「役に立ちたい」と必死に懇願し俺達の傍から離れないという条件で特別に加えられたのだ。

しかし、数時間前からの多々のデュエルでクロウと一緒にいた優香だったが案の如く途中ではぐれてしまい、
デュエルギャングに遭遇してはデュエルに勝利し廃墟の中を彷徨い探していた。
遊星がデュエルディスクに付けてくれている通信機能も、妨害電波が出ているのか機能しなかった。

流石にそろそろチームの誰かと合流しないとまずい。

焦っていた優香だったが、前方に数人の柄の悪い男の姿が見えると、立ち止まり腕のデュエルディスクを構える。
だが、優香の存在に気付き歩み寄ってきた数人の男たちの腕にはデュエルディスクが装着されていない。
鼻にピアスをした一人の男が、ニヤニヤと笑みを浮かべながら口を開く。



「お嬢ちゃん、一人? んなら俺らと遊ばねぇ? ……って、あり、それってデュエルする道具じゃね?」



デュエルの基本ともいえる装備品、デュエルディスクを指差し、軽く首を傾げて尋ねた。
他の男三人も、優香の身体を舐めまわすような視線を向けているだけで、デュエルには関心を一切示していない。

即座にデュエリストではないと判断した優香は、この場から逃げようと一歩退いたが、
不意に背後から巨漢の男に両腕を拘束されてしまった。
悲痛の色を浮かべ振り払おうと手や足をじたばたさせるが、ひ弱な優香の力では到底巨漢の力には敵わない。



「まあ、そういう事だ。デュエルしに来たのかは知らねえが、女一人で此処に来たのが間違いだったな。――クククッ、楽しませてもらおうじゃねえの」

「あ……い、いや……」



男たちが一歩ずつ優香へと一斉に卑猥な視線を浴びせ、歩み寄って行く。


私がドジさえ踏まなければ、クロウともはぐれずにすんだ。
今までクロウが一緒だったから女一人でもデュエルをやってこれた。

クロウがいつも私を守ってくれたから……


足がすくみ、瞼をギュッと閉じて迫る恐怖に耐えようとする。
男の手が優香に触れようとした瞬間―――ドアァアという音と共に、男の喘ぎ声が聞こえた。


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