遊戯王夢

□寝起きにはご用心
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まだ幼い頃。
当時の私は男の子並に、もしくはそれ以上にやんちゃだった。
その所為か他の女の子よりも遊星やジャックやクロウとか男の子の方が仲が良くて、特にクロウとはいつも一緒だった。

とにかく何をするにも二人一緒で、二人でジャックに悪戯したり風呂もよく一緒に入っていたと思う。
もちろん同じ幼馴染の遊星やジャックと過ごす時間も楽しいが、
クロウと二人で過ごす時間は二人とは別で私にとって心から安心できる幸せな時間でもあった。
その関係は今でも変わらず、普通の仲の良い幼馴染として過ごしていた。


でも、最近の私は
その幼馴染という関係に満足できなくなっていた―――





「おはよう、優香」

「あ、おはよう! 遊星!」


朝、優香が朝食の準備をしていると遊星がまだ眠そうな声で挨拶を交わし早々に席へと着いた。



「遊星、また徹夜したの?」

「ああ、エンジンの調整で少しな」

「もうちゃんと寝なきゃ駄目じゃない」

「それはお前もだろう、優香」



遊星の鋭い言葉に優香は思わずコーヒーを入れていた手を止める。
確かに最近夜はバイトで深夜遅くまで働いている。
遊星達は止めろと言っているが、一緒に住んでいて自分だけ家事をするだけとは流石に悪いので(ジャックは置いといて)
少しでもエンジンの費用の足しになるなら、と働き始めたのだ。
それと、お金が貯まったら一番働いているクロウに何かプレゼントでも、と密かに考えていた。


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