遊戯王夢
□悪魔の命令
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「よーし、このままモンスターで攻撃!」
優香はモンスターゾーンが がら空きの鬼柳へダイレクトアタック宣言をした。
しかし、鬼柳はニヤリと余裕の笑みを浮かべると伏せてあったリバースカードを発動した。
「甘いぜ、優香。トラップ発動!『魔法の筒』!」
「ええっ!?」
予想外の伏せカードに素っ頓狂な声をあげて驚いた。
発動が成功すると、モンスターの攻撃力分2400のダメージを受け、ライフが500しかない優香は負けてしまう。
しかし、優香の手札やフィールドにはこの状況も回避するカードもなく、
結局攻撃力2400ポイントのダメージを受け、鬼柳とのデュエルに負けてしまった。
「また俺の勝ちかよ、もっと俺を満足させてくれんじゃなかったのか? 優香」
「うー……」
鬼柳はフッと余裕の表情を見せ、ウルトラレアの「魔法の筒」のカードをひらひらと見せびらかす。
鬼柳とのデュエルは今まで何十回もしてきたが、優香は一度も勝てた事はない。
恐らく狙っているのかいつも勝ちを確信したところで逆転勝ちをされ、優香はたまらなく悔い思いをしていた。
しかも、今回のデュエルはただ悔しいというだけではなかった。
「で、優香ちゃんよぉ。デュエル前に自分が言った言葉忘れてねえよな?」
「………さあ、何でしたっけ?」
「『デュエルに負けたら勝った方の言う事を何でも聞く』――って事で、早速俺の言う事聞いてもらおうじゃねえか」
ククッ、と喉で笑う鬼柳が、今の優香には悪魔のように思えた。
確かに言い出したのは自分からだが、なぜか今日に限って今度こそ勝つ気がしていた。
当然ながら結果は負け、優香のチーム・サティスファクション衣装チェンジ計画は台無しになった。
(きっと鬼柳の事だからトンデモナイ命令とかしてきそう…。俺の×××を××しろとか暫く×××していろ、とか…!
私の羞恥を煽ることを絶対命令してくるに違いにない!)
ぎゅっと目を瞑って鬼柳からの命令を怯えながら待つ。
鬼柳は優香へ近づいて、目の前に座りこむと静かに口を開いた。
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