二万打企画
□魔物に育てられた少女
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「ママ……!」
ライガ・クイーンに抱き付く桃色の髪の少女。
クイーンはその少女に頬擦りをする。
クイーンの少女を見る目はひどく優しく穏やかだった。
「エミル……ありがとう、です……」
「ぼ、僕は何もしてないよ」
抱き締め合う母子を数歩離れていた場所から見ていたエミルは駆け寄ってきた少女の言葉に頬を赤らめる。
「エミルのお陰でママは無事だった、です……だから、ありがとう、です……」
満面の笑みを浮かべお礼を言う少女。
その笑顔と言葉にエミルは頬を掻く。
満面の笑みだった少女の笑顔が消える。
「ママは何も悪い事してないのに……」
下がっていた眉が吊り上がる。
「……ママを傷付けた人達、絶対許さない……!」
少女の言葉にエミルは少女の名を呟いた。