タイトル未定
□おやすみ
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深夜11時。
テレビの中で動く人々。
それをぼんやりと眺めていた遊星はふと何かに寄り掛かられた気がし、視線をテレビから外す。
小さな身体が僅かに遊星の身体に凭れ掛かっていた。
目を擦りながらテレビを観ているアンチノミー。
テレビの内容など理解出来ていないだろう。
「もう寝たらどうだ?」
「まだ終わってない……」
最後まで観るという思いで起きているのだろうが、時折頭が前後に揺れる。
寝てしまうまで後少しといった所か。
「何か飲むか?」
「コーヒー……」
「駄目だ」
「ならいらない……」
仕方がなく遊星はアンチノミーの身体を自分に寄り掛からせる。
無意識に安定する場所に凭れ掛かるアンチノミー。
そんな子供の頭を撫でながら遊星はテレビに視線を戻した。
暫くすると小さな寝息が聞こえ始めた。