寓話

□星に願いを
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ボクの名前はマーフィーといいます
くったりとした体のクマのぬいぐるみです。この姿でうまれて、100年経ちました

ボクの主人は松尾芭蕉といいます

俳句という歌を詠むのがとても上手く、お弟子さんが沢山います
空とかお花とか色々な景色を眺めては、筆を取って俳句を詠んでいます
普段は穏やかな目つきなのですが、その時の目は何か違う人物になってしまったんじゃないか。と思うくらい別の輝きになります

けど、よくスランプというモノになり、歌を詠めなくなります


よく一緒に行動しているのは、河合曽良といいます

沢山いるお弟子さんの一人で、よくお家に家事をしに来てくれます
いつも無表情で、主人を苛めたりボクを壁に投げつけたりします
布と綿の体なので壁にぶつけられても痛みはないのですが、やはりそうされると、とても悲しいです

でも寝ている主人に布団をかけたり、体調崩している時に栄養のあるものを作ったりして、本当は主人のことが好きなんだと知っています


できるなら二人とお話したいけど、ボクはぬいぐるみだからお話できません
だから今日もボクはカバンの取っ手にぶら下がっています


これがボクの日常です。

でも…いつか、人間になれれば。いつか、二人と一緒に旅ができればいいのに、と毎日鞄から思います。
流れ星にお願いしたら、叶えてもらえるのでしょうか?



●星に願いを●
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