企画

□はぐれない方法
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夏休み。

黒主学園は、長期休暇ということで皆が自宅に帰宅していた。私もそんな中の一人であった。



カラン コロン

下駄で歩く音がよく聞こえる。

今日は花火大会が黒主学園の近くの神社で行われていた。



長期休暇で自宅に帰っていた私も花火大会に参加するために一時的に黒主学園まで戻ってきていた。



「錐生先輩、待ちました?」

「別に・・・待ってない」



錐生先輩は風紀委員をしていて、女子の敵と言うようなことを女性の先輩から聞いたことがある。

しかし、私からしたらただ愛しい人で俗に言う恋人同士。



私達が待ち合わせていた場所。

そこには、他にも沢山のカップルが待ち合わせ場所に使っていたり、既に出会っていていちゃこらしていたり・・・

と、まぁいろいろだった。



「行くか」

「はい!」



そう言って錐生先輩は、スタスタと先に行ってしまう。

何とか追いつこうと足早に追いかけるが下駄という不運な足元。



「あ!錐生先輩。待って!!」



はぐれそうになった私の必死の声が届いたのか、少し先で振り返って待っていてくれた。



「・・・」

「錐生先輩?」



突然、立ち止まったまま悩みだした錐生先輩の顔を下から覗き込んだ。

そして、後少しで錐生先輩の表情が読み取れそうなところでいきなり錐生先輩に腕を引かれていた。



「え?え?え?」



はぐれない方法
(たまにはいいだろ)(そう言った赤い先輩に笑顔で答えるのだった)



20110410
神楽 葵

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