終わりなき愛を

□十年前との違いは
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「葉月おはよう」

「お、おはよう」



ついに約束の日が訪れた。

私は数学のテストで86点という点数を叩きだし、つっくんとお出かけできることになったのだ。



つっくんに朝10時に俺の家まで来てねと言われたので、お隣のつっくんに会うべく自宅を出たら車にもたれて携帯をいじってるつっくんが視界に入った。

つっくんはすぐに私に気づいて今に至る。



「じゃあ行こうか」



そう言って、車のドアを開けた。

その動きがあまりにも慣れているように見えて、少し恥ずかしくなって可愛くないことを聞いてしまった。



「・・・車運転できるの?」

「ちゃんと免許持ってるよ、俺だっていつも後ろに座ってるわけじゃないから」



苦笑まじりにそう答えられてしまった。

ちょっと気まずい空気のまま、つっくんが開けてくれた車の中に乗り込むと扉を閉めてくれて、運転席につっくんが乗り込んでた。



「どこに行くの?」

「んー、普段葉月がどういうところに行ってるか分からなかったから、適当にぶらぶらショッピングにしようと思ったんだけどそれでもいい?」

「うん、お店って外から見てるだけでも楽しいよね」

「そういうもんなの?」

「私は・・・かな」

「良いんじゃない?」



気まずかった空気が少しずつ解れてきて、目的地に着いたらしく車が駐車場に停車した。



「人いっぱいだね」

「うーん、確かに人多いな」



つっくんは少し眉を寄せて、うざったそうに周りを見ていた。



「まぁ、日曜日だししょうがないよな」

「うん」

「そろそろ行くか」



そう言って、つっくんは私の手をとって進みだした。

いきなり大きな手に包まれて少し恥ずかしくて顔を俯かせてしまった私につっくんは少し笑った。



「はぐれないように」



そう言って、微笑みながら私の顔お覗き込んできた。



昔は手を繋いだくらいでこんなにドキドキしなかったのに、つっくんすごく格好よくなって帰ってくるし・・・

なんか、いろいろずるいと思う。



十年前との違いは
(繋いだ手から)(私の心臓の音が)(伝わっていそうで)



20120205
神楽 葵


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