ぎんたま!

□犬の目線
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真選組屯所。食堂には、食卓を囲む沖田、土方、山崎の3人の姿があった。

「おい総悟。口に米粒付いてんぞ」
「む。」
「ったく」

土方は手を伸ばすと、人差し指と親指で摘まんだそれを自然な動作で自らの口に放り込んだ。それを見た山崎が恐る恐る尋ねる。

「…副長?」
「もったいねぇだろうが」

こいつは昔っからよくこぼしやがんだよ。まったくの普段通り、かつさも当然という様子で話す土方に、山崎は今までもそれやってたんですかと喉元まででかかった言葉をかろうじて飲み込んだ。

「そういう土方さんこそ、ほっぺたにかわいそうなマヨ付いてやすぜ」
「かわいそうは余計だ!……ここか?」
「違います。反対」
「これで取れたか?」
「もうちょっと右上でさぁ」
「おい。今度はどうなんだ」
「まだついてますね。やれやれ仕方ねぇな土方」

そう言って沖田は土方の肩に手を置いたかと思うと、身を乗り出して──舐めた。

「取れましたぜ」
「おう」
「沖田さん土方さんって本当にラブラ…」

ギロッ

「や、やだなー隊長。ラブラドールレトリバーって言おうとしただけですってば」
「…だそうだぞ総悟」



((土方さんが天然でよかった。
あぶねぇザキのヤロー俺がどれだけ頑張って今の状態に落ち着いたと思ってやがるんでィ。これくらい普通だと思わせるのにした苦労が水の泡になるとこじゃねえか))

((うわー命拾いしたー。これで副長のほっぺになんにもついてなかったとかバラしてたら沖田隊長に5分の6殺しに遭うよ確実にシンデレラ?違った、死んでたよ))

そんな2人の男の思いなど、彼らの副長どのには知る由もなかった。



………………………
ナチュラルにイチャイチャするふたり。山崎は耐性がついてきました。

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