ぎんたま!

□しりとり(沖土編)
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ふー、っと吐き出した息が上に上がっていくのを何とはなしに目で追っていた土方は、隣で静かにしている部下を見た。

「しりとりのりー、…りんご。次はごですぜ、早くしなせえ土方コノヤロー。」
「総悟くうぅぅぅんッ!?
え、ちょっと何言ってんのこの子。なんで俺が待たせてるみたいになってんの。ってか今張り込み中だからねコレ。遊んでる場合じゃないからねコレ」
「大丈夫でさぁ。桂らしき人物がとっつぁんの屋敷周りうろついてたなんざ、どうせデマですぜ。万一事実だったとしても、えーとなんだ…飛んで火にいる夏みかん?」
「夏の虫だろ馬鹿」
「とにかく、そん時はとっつぁん本人が返り討ちにしてくれまさぁ。だから付き合えよこちとらガキ共と遊ぶ約束すっぽかしてんですぜ」
「サボる気満々だったんじゃねぇかよオイ」
「これでも見張りながらでもできるようにってんで、最大限の譲歩してんです」
「…………」
「……ご、からですぜ」
「…ゴリラ」
「ランドセル」
「ルーマニア」
「アホ」
「オイ…?」
「やだなぁ土方さん。今のはしりとりですって」
「…ホトトギス」
「スニーカー」
「カレー」
「レトルト」
「虎」
「ラジオ」
「オタク」
「くま」
「ま、」

ダダンダンダダン♪ダダンダンダダン♪

マヨネーズ!!と続くはずだった言葉は、大音量のメロディーに掻き消された。
どこかで聞いたことのある着信音に、ああ総悟の携帯だったかと思い出す。くそ、いいところだったのに。

「おー、俺だ。山崎?ああ。ん、わかった。
──かぶき町の方で桂が出たそうです。こちらはもう引き上げていいと」
「っ、そうか。わかった。位置情報をこちらに回すように言え」

即座に送られてきた住所を元に無線で巡回中の隊士たちに指示を出す。一本道の通りを車で飛ばしながら、恐る恐る隣の部下に声をかける。

「総悟。さっきの続きだが…」
「はあ?土方さんひょっとしてしりとりのこと言ってるんで?仕事中サボるなって言ったのはアンタだろぃ」
「う、…違う。なんでもねぇ」
「ならいいんですけどね」

不意にミラー越しにニヤリ、と笑う総悟が目に入る。

コイツ。

行き場のない怒りをぶつけるべく、現場に着いたら速攻山崎しばく、と土方は固く心に誓ったのだった。




……………………
沖土と言っていいのでしょうか、コレ。山崎ごめん。
沖田と土方はこうやってじゃれながらスキンシップ取ってるんだと思います作文


じみ〜に38巻ネタバレを含む初代拍手でした。

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